●熱を持った筋肉をアイシングする
激しい運動やトレーニングの後、筋肉が痛くなり熱を持っていることがあります。その場合、筋肉を氷や保冷剤などで冷やすことで、痛みを伝える神経の伝達速度を抑えることができます。また、筋肉の炎症を抑える効果もあります。
1回あたり10~20分、運動してから24時間以内に2回程度行うと効果的です。ただ、冷却することで血流を悪くすることにもなるので、筋肉が熱を持って痛む場合にはその当日のみアイシングするようにしましょう。
・お風呂で体を温める
運動してから時間が経ったら、ぬるま湯にゆっくり浸かって全身を温め血流をよくする、温熱療法を行うとよいでしょう。血液が筋肉の回復に必要な酸素や栄養分を運んでいくだけでなく、新陳代謝も促進されて回復が早くなります。
ただし、こちらはアイシングと反対で、運動直後の筋肉に熱を持った状態で行うと全身の血流がよくなりすぎて、酸素や栄養が回復したい筋肉だけに送られないため逆効果です。数時間から数日おいてから試してみてください。
・ストレッチで筋肉をほぐす
運動やトレーニングを行った後は、筋肉がかたくなり血流が悪くなっていて、痛みの原因にもなっています。筋肉痛だからといってじっと動かずにいると、どんどん血流が悪くなりかねません。体をゆっくりとのばすストレッチや、ウォーキング・水泳など軽い運動をすることで、筋肉をほぐし血流をよくすると回復を早くできます。ただし、無理して大きな負荷をかけないよう気をつけましょう。
・筋肉痛に効果のある栄養を摂る
筋肉を構成するたんぱく質はもちろん、疲労回復に効果のある栄養が含まれるような食品やサプリメントを摂ることで、筋肉痛を早く回復する効果が期待できます。
たんぱく質は、肉・魚・大豆・卵・乳製品に含まれます。ただこれらの食品を摂りすぎると摂取カロリーが高くなってしまう恐れがあるので、気になる方はプロテインを利用するのも手。
疲労回復に効果てきめんと言われるのが、ビタミンB1。こちらも豚肉や鶏肉、そしてレバーなどに豊富に含まれています。
他にも筋肉痛に効果があるものとして、ニンニクや唐辛子に含まれるビタミンB6、黒酢や柑橘系の果物に含まれるクエン酸、レバー・牡蠣・大豆などに含まれる亜鉛などの栄養があります。
また、運動によって消費した糖質もおにぎりなどで適度に摂取しましょう。
・しっかり睡眠を取る
筋肉痛だけでなく体の疲労回復全般において、睡眠時間を確保し良質な睡眠を取ることは大切です。また、睡眠中に成長ホルモンが分泌されるというのを聞いたことがあるかもしれませんが、この成長ホルモンは筋繊維の回復にも必要です。7~8時間は眠るようにし、筋肉をゆっくり休ませてあげましょう。
②筋肉痛にならないように予防できる?
そもそも筋肉痛にならないようにするにはどうしたらいいのか、その予防法も身につけておきましょう。
・ウォーミングアップや準備運動をする
運動前にストレッチや軽い体操などで筋肉をのばし、血流や筋肉の柔軟性をよくします。その後、軽いランニングをしたり自転車をこいだりしてから徐々に筋肉への負荷を大きくしていくことで、筋肉に急激な負荷をかけて傷つけることを防ぎます。
・クールダウンをする
激しい運動の後に突然動きを止めると、血液の流れが急に悪くなります。疲れていてすぐに休みたくなる気持ちはわかりますが、クールダウンのため軽いウォーキングやランニングなどを10分くらい行って、スピードを下げてから停止するようにし、血流を止めないよう心がけましょう。
・しっかり水分補給を
昔運動部に所属していた読者の皆様には、監督に「水を飲むな!」と怒られた経験があるでしょうか。しかしそれは今の時代ではNGです。水分をしっかり摂ることで血液がドロドロになるのを防ぐことができるので、こちらも血流を悪くしないために効果的です。
・運動前に栄養を摂る
筋繊維の修復を助け、筋肉中のたんぱく質の分解を抑制する働きによって、筋肉痛を起こりにくくしてくれる栄養があります。牛肉やマグロの赤身、牛乳などに含まれる「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」です。しかしBCAAは体内で作り出すことができず、また運動時にエネルギーとして消費されてしまいます。そのため運動の30分前くらいに食事やサプリメントなどで摂取しておくとよいでしょう。
また、バランスの取れた食生活を普段から心がけることで、筋繊維を太くして傷つきにくい筋肉を作ることができます。たんぱく質をはじめ、ビタミン類や糖質など、豊富な栄養を摂るようにしたいものです。
・日頃から運動する
筋肉痛を防ぐために運動するのか?と疑問に思うかもしれませんが、よく運動している人は筋繊維が太くなっていて、ちょっとやそっとでは筋肉痛にはなりません。反対に筋肉を使う頻度が低いと筋繊維が細くなり、少し負荷がかかるだけで傷ついてしまうのです。日頃から全身の筋肉を使う有酸素運動を行い、血流もよくしておきましょう。